カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを見据えて、廃棄物処理業やリサイクル業が実施すべきこと(大企業と中小企業の戦略)

こんにちは、環ビ塾太郎です。

『週刊循環経済新聞』(2024年(令和6年)1月1日)のトップ記事を抜粋し、環境ビジネス地域一番経営実践塾として感じたことや出来ること等をご紹介いたします。

『再資源化・エネ回収を進める』-循環経済への移行を視野に-

ロシア・ウクライナ問題、米中の景気動向が国際経済に影響を及ぼす中、日本では物価高や物流の2024年問題が産業や暮らし等に影響を及ぼしている。廃棄物処理・リサイクル業界もそれらの対応は急務である。一方、カーボンニュートラルと循環経済(サーキュラーエコノミー)を支える産業として存在感は増している。高度な最終処分など適正処理を担保しつつ、再資源化とエネルギー回収の高度化を進める時代になってきている。

※マテリアルリサイクル業者がフラフ燃料生産、RPF業者がケミカルリサイクル向け加工に乗り出している

『可燃と不燃で異なる局面』-適正処理と新たな再資源化-

大都市圏や排出事業所が集積している地域の一部では、比較的質が良い廃プラスチックや木くず等が入手しにくくなり再資源化や代替燃料の供給に影響が出る状況。一方、首都圏などの再生砕石は需給ひっ迫している。

全国的に見れば、再生資源化や代替燃料製造が広がり、そのような手法が困難な物を受け入れる焼却処理や最終処分が高度化・大規模化する流れ。課題は、処理施設設置を計画した時期と実際に施設が稼働を開始する時期の廃棄物の発生状況が異なるということ。

当面、可燃系産廃の競争激化、不燃系産廃の処理・再資源化の模索は続くだろうが、長期的に見れば「排出減少」を見越した新たな設備投資や事業展開が必要。例えば、収集運搬や分選別、再資源化、代替燃料製造などの高度化と事業提携・M&A、株式公開など。カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを見据えて新たな付加価値を作れるか、若しくは、後継者不足などにより再編を余儀なくされるか、現在はその過渡期にある

『可燃と不燃で異なる局面』-日本版のサーキュラーエコノミー-

2024年6月循環型社会形成推進基本法に基づく第五次循環基本計画が閣議決定される予定。なお、2023年10月中央環境審議会による新たな基本計画の策定のための具体的な指針は以下のとおり。

  • 循環型社会形成に向けた循環経済への移行による持続可能な地域と社会づくり
  • 動静脈連携によるライフサイクル全体での徹底的な資源循環
  • 多種多様な地域の循環システムの構築と地方創生の実現
  • 適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進

この中で、サーキュラーエコノミーについては、

  • 資源投入量・消費量を抑えつつ、製品等をリペア・メンテナンスなどにより長く利用し、循環資源をリサイクルする3Rの取組みを進め、再生可能な資源の利用を促進し、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて資源・製品の価値を回復、維持または付加することによる価値の最大化を目指す

とし、これまでの3R施策をさらに発展させようというもの。

廃棄物業&リサイクル業が実施すべきこと

カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを見据えて、廃棄物処理業やリサイクル業が実施できること・実施すべきことは大企業と中小企業とでは異なります。

大企業が実施できること・実施すべきことは、とにかく強者の戦略、いわゆる『包み込み戦略』によるM&Aや処理施設などの展開(大型化や全国)といった攻めになります。

一方、中小企業は基本的に守りの戦略になります。しかし、守りだけではジリ貧になりますので、バランス(守り70%、攻め30%)が重要です。攻め30%では、『一点突破集中戦略』による自社の強みをより高度化することが求められます。勿論、回収効率や処理効率を追求したローコストオペレーション、コンプライアンス管理、人材教育(しつけ、マナー)なども重要になります。そして、攻めるときは、時流をみて着実に攻める。このときに大切なのは、伸ばせるものだけを加減して伸ばすということです。優秀な会社、そして、永続する会社づくりを本気で考えている経営者ほど、まずは「守りを重視」しているように思われます。

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https://eco1000.net/archives/news/20240128

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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